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偶像少女【アイドルマスター】 vol.3
 第0章 『アイドル』の作り方


「ただいま、と」
 職場を出る前にやらかした片づけをし、いつもと変わらない時間に家に着く。
 真っ暗な部屋の電気を点けることもせずに部屋の中へと入る。

 古びたアパートの一室には申し訳程度のリビングに部屋が一つだけ。
 もちろんお風呂とトイレは一緒になっている。ついてるだけ僥倖だとも言えるのだが。

「さすがにいつまでもこんなところに住むのも、な」
 別段俺自身今の家に困っているわけではないが、もう少しで念願の正社員になれるのだ。
 そうすればもう少しはまともな家に引っ越すのも良いだろう。
 断固としてお風呂とトイレは別であるべきなのだ。絶対に。
 だが今はユニットバスしかない。
 ないのであればこれ以上ないものねだりをしても、時間の無駄と切り替える。
 とにかく今は仕事に疲れたこの身体を、シャワーでさっぱりと洗い流す必要がある。
 明日も朝早くからアルバイトの予定が入っているのだ。

 すでに眠気が襲う目を擦りながら、ユニットバスへと向かう。
「あれ、俺電気点けっぱなしだったか」
 急に射す光に、一瞬視界を奪われながらも頭を捻る。
 朝家を出るギリギリまでトイレに籠ってたので、もしかしたら消し忘れていたのかも。
 って、そんなことはわざわざ言わなくても良いよな。
 なんてことを、誰にでもなく呟きながら扉を開く。
「――っ」
 目に差す光に思わず瞼が落ちる。
 薄めになりつつ少しずつ光に慣れるのを待つ。
「……って」
 徐々に光に慣れていき、視界が拓けていく。と同時に瞼を閉じる。明転、そして暗転。

「ち、ちょっとおおおおおっ!!」
「あふぅ、お兄ちゃんお帰りなさいなの」
「みみみみみみみきっ、お、お前何やってんの!」
「何って……おしっこなの?」
「おしっこかー。しーしーなら仕方な……って、いやいやいやいや何普通に答えてんの!?」
 我に返った俺はついでに目も開いてしまい、慌てて後ろを向く。
 え、いや、なんで美希が!? もう寝てたんじゃないのか!?
 こんな時間まで起きてることなんてほとんどないのに!
 と言うか何で気付かない俺! 扉の隙間からでも光が漏れてただろうに!
 それにしてもパジャマで肝心なところが見えなかったのはなんだ! わざとか!
 べべ別に見たいなんて思っちゃいないが、見れないとなるとそこはかとなく悔しい気持ちが――

「あふぅ~~」
 ちょろちょろちょろちょろ……
「って、続行すんのかよ!!」
 星井美希、14歳。俺の妹である。せっかくの初登場は――トイレ、だった。


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