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偶像少女【アイドルマスター】 vol.9


 ――なんて都合の良い展開、俺の福音にはあり得ないのだった。
「本当悪いことをした」
 目の前の男がちょっとだけ薄くなった頭頂部を惜しげもなく俺に見せつけている。
「いや、あの、ほら、しょうがないですから。頭をハゲ……上げてください」
 俺は俺で動揺していたのか、危うくNGワードを発動してしまうところだ。
「君のことはもうほとんど決まっていたんだがね……会社自体がね」
 一言で言うと、会社の経営がやばくなったので新しく人を雇っている余裕がなくなった、と。
 そういうことらしい。マジか。

 仕事が終わり、社員の人の第一声が「すまん。社員の話、なしになった」だった。
 結構期待していただけにショックを受けつつ、頭の片隅ではやっぱりなと思ってるのも事実だった。
 また福音、か。本当、こんなもの呪い以外の何物でもない。

 それ以降も謝ってくる社員の人に、気にしないでくださいと言って帰路につく。
 話を聞いていると、社員の人も厳しそうな話だった。
 それでも俺のことを気にしてくれたのは、紹介した罪悪感もあるのだろうが、良い人なのだと思う。

 てくてくと歩きながら、今後のことを考える。
 今の職場は社員になるのを前提としているところだったので、それが断たれた今、このまま続けるのもさすがにニート街道まっしぐらすぎる。
 やはりここは今の仕事を続けながら、早急に新しいところを探すのが現実的な路線だろう。
 方針が決まったところで気分も切り替え、家路へと急ぐ。
 こんな福音を持っているせいで、そういうところだけは得意になってしまっていた。


「ただいま、と」
 結局そこまで遅くならず、いつも通りの時間に帰宅。
 美希は先に寝ているのだろう。部屋の中は真っ暗だった。
 荷物を美希が起きない程度に乱暴に投げ捨て、ユニットバスへと向かう。
「……よし」
 一応電気が点いていないことを確認。
 まあ、さすがに美希も二日連続ではしないだろう。
 安心した俺は、着ていた服を脱いでは脱衣カゴへと放り込んでいく。
 ガチャ。
「あふー。おしっこおしっこ、なの」
「って、今度は逆ー!!」
 不意打ち気味に扉を開けられ、美希が買ってくれた黄緑色のパンツを惜しげもなく晒してしまう。
 とりあえず手でパンツを隠そうとしてみたりするが、男がシナを作ったところでキモいだけだ。
 美希はそんな俺の一人芝居に見向きもせず――

「あふぅ~~」
 ちょろちょろちょろちょろ……
「って、続行すんのかよ!!」

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