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偶像少女【アイドルマスター】 vol.12



「えっと、今暇ですか?」
「す、すいません。俺待ち合わせなんで」
 地面を見つめ、ぼそぼそとなんとか返す。
 いや、だってこんな可愛い子に声掛けられたら直視できないって!
 彼氏いない歴=年齢な俺にはちょっと難易度高い。
「? そ、そうですか……」
 女の子がこちらを一瞥した様子を見せ、そのあと悲しそうな声色で呟く。
 なんだか罪悪感がひしひしと胸に積もってくる。
 正直美希とのデートの約束がなければ即座についていってるところだ。
「うう……でもこのまま成果なしで帰ったら、律子さんに何されるか……ひぃっ! 春香、頑張れ!」
 ぶつぶつと何か呟きながらよしっとガッツポーズを取っている。
 ちょっと天然入ってるのだろうか。
 それにしても、これだけ待って美希が来ないってことはもしかしたら、兄とのデートが面倒臭くなって家で寝転がっているのかもしれない。
 いや、その可能性大だ。
 ならこの子の話を少し聞くくらい問題ないってなもんだろう。
 よし。この子がもう一度話しかけてきたら返事をしよう。
 そう意気込んでも、自分からは声を掛けられないチキンである。

「あの――アイドルに、なりませんかっ!!」
「わへ?」
 わかりました。と答えようと口を開けた状態のまま、俺は固まっていた。
 アイドル? 歌って踊る? フリフリの服を着て? いや、今は男のアイドルもいるか。
 どちらにしろ俺がそんなのになれるわけがない。
 きっとこれは勘違いだ!
 ぶんぶんと首を振って意識を保とうとすると、俺のすぐ隣に見慣れた金髪がって――

「だから、無理だって言ってるの」
「やっぱり美希だったー!!」
 そうですよね! 俺なわけないですよね!
 思ったよりもショックを受けている自分にショックを受ける。
「て言うか、美希お前いつからそこにいやがった!!」
 突然俺が大声を上げたことに女の子が驚いているが、当の美希は何興奮してるの? と言わんばかりだ。
 まぁ気付かなかった俺も俺だが。
「お兄ちゃんが浮気しないかどうか見張ってたの」
「いや、浮気も何もまず付き合ってないからな、俺たち」
「音楽性の違い……なの」
「それも違う!!」
「あ、あのー」
「つーか、こんな無駄な時間過ごしてるくらいならさっさと出かけたほうが良いだろ!」
「待ち合わせの時間もデートの一部、なの!」
「すいませーん」
「デートっていうなら一緒にいたほうが楽しいに決まってんだろっ」
「あふぅ。お兄ちゃんが他のカップル見て憂鬱そうにしてる表情……とっても楽しかったの」
「ドSすぎ!?」
「私の話も聞いてくださいっ」
 女の子が俺と美希の間に身体を投げ入れてくる。
 そういえばすっかり忘れていた。普通に家の中にいる気分だった。
「ううっ……アイドル。アイドルにぃぃ。律子さんがぁぁぁっ」
 俺と美希の服を掴み、涙ながらに訴えかけてくる女の子の必死さに、俺と美希は話だけでも聞いてあげることにしたのだった。
 女の子の最後のほうの言葉はよくわからなかったが――

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